市内に建つマンションのリフォーム計画のご相談をいただき、お話を伺いに行って来ました。築33年経つマンションですが、メンテナンスが行き届いており、建物全体が綺麗な状態。立地が良く、相模湾を一望する環境で、住むにはとても良い場所です。ただ残念なことに、部屋のレイアウトが今の生活には合ってませんでした。建物中央に位置するDKは昼間でも電気を点けなければならず、絶好のロケーションなのに、それが活かされていません。今回のリフォームの御希望は、それらを改善すると同時に、水廻り設備の交換という内容。まずは計画案を作成し、工事費用の概算見積もりを作成することになります。
リフォームを思い立ったきっかけの一つは、床が大きく傾いている事でした。数年前に床の張り替え工事を行っていたのですが、その際の施工が悪く、床が傾斜していたのです。そのせいで扉が勝手に開いたり、閉まったりする状態。長い時間、立っているとめまいを感じることもあるほど。
一般的に、新築の家の床は、3/1000以下の傾斜であることが必要です。これは1m離れた場所で、3mmの傾きがあるという意味です。実際に計測する際には、3m離れた場所で計測する必要があります。また傾斜が3/1000を超え、6/1000以下の場合には、なんらかの瑕疵が隠れている可能性があります。6/1000とは、1m離れた場所で6mmですから、3m離れた場所では、18mmの傾斜となります。18mmとは、たぶんスマホを二つ重ねたぐらいの厚みでしょうか。けっこうありますよね。これだけ傾斜していると、敏感な方なら違和感を覚えることでしょう。勿論、上記の数値を目標に、建物を造っている会社など無いと思うので、こんなに大きく傾いている新築の建物は無いでしょう。
ところが今回のお宅の場合、約3m離れた場所で30mmの傾き、つまり10/1000。一瞬、私の測り方が間違っているのかと思い、測り直したほどです。計測に使用したのは、簡易型の物ですが、それでも一応レーザー式の水平器。しかも分銅型の吊り下げ方式で、水平を確保するタイプなので、それほど大きな誤差は生じません。こんなに大きな傾斜があったら、日章生活の中では、かなりの支障が出て来る筈です。これは早めの対応が必要な現場だと感じました。