『神様が殺してくれる』森博嗣 著/読了

パリで往年の大女優が殺された。ベッドの上で絞殺されていたのだが、ベッドの柱には後ろ手に縛られたリオンが居たのだ。彼は警察に「神様が殺した」と証言し、その神様の名は、レナルド・アンペール、つまり僕だと名指ししたのだ。パリの事件に端を発し、ミラノ、フランクフルト、東京で、次々と起きる殺人事件。そのどれもに関連していると思われるリオンは、絶世の美女と呼べる美貌を持つ男性で、僕の大学時代のルーム・メイト。僕は知らず知らずのうちに、事件に巻き込まれていく―—

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久しぶりに手にした森ミステリでしたが、うーん、正直言えば少し読後感が宜しくなかったです。評判が良かったので手にしたのですが、私のツボではありませんでした。理由は二つ。でもそれは書けないし、読んだ方でも気が付く方と、気付かない方も居るかもしれません。それほど巧みに書かれた作品であることは確かですが、読みながら一度気が付いてしまうと、もうダメ。そこでシラケちゃいました。

手法自体は好きな部類なのですが、ガジェットが作為的と言うかわざとらしく、いかにも「ここから考えられる帰結がありますよ、でもそこには罠がありますよ…」的な書き方が読めてしまいました。で、グルグルと回って、そこに着陸するのなら、登場する警官やICPOは全て無能ではないですか? なんて思ってしまったのです。(ゴメンナサイ) たぶん二度読めば、間違いなく矛盾に気付くと思います。私としては期待していただけに、少し残念でした。