内田康夫氏隠れる

ミステリ作家の内田康夫さんが、お亡くなりになられました。内田さんと言えば「浅見光彦シリーズ」が有名で、TVドラマにも数多くなっているので、本を読んだことの無い人でもご存知でしょう。他にも「信濃のコロンボ」こと、竹村警部補のシリーズも有名です。

浅見光彦シリーズの中では、実際に起きた「グリコ・森永事件」を題材にした『白鳥殺人事件』には、ただただ驚かされました。また三億円事件をヒントにしていると思われる『夏泊殺人事件』などもあり、実際に起きた未解決事件などを上手に描かれた作品が多数あります。デビュー作の『死者の木霊』も、実際に起きた「夏川ダムバラバラ事件」が、モデルになっていると言われています。この『死者の木霊』を読んだとき、「ミステリー界に凄い人が出て来たな」と、衝撃を受けたことを覚えています。それほど作品にインパクトがあったし、竹村警部補のキャラクターに魅了されました。

内田さんの功績って、西村京太郎さんや山村美沙さんのように、ミステリ・謎解き小説・探偵小説と言った、一部のマニアの人しか読まないジャンルの本を、グッと身近に感じさせてくれたことだと思います。内田さんが他界されても、内田さんが残した作品の数々は、これからも映像化され、あるいは再版され多くの人たちを魅了してくれるに違いありません。今度、『死者の木霊』を再読してみようと思います。