大阪府北部で起きた地震の影響で、小学校のブロック塀が倒壊し、通学途中の女子児童が下敷きになり亡くなるという事故が起きたのは、つい先日のこと。そのブロック塀の安全性に関して、当の小学校は問題視しており、安全性に関する確認を教育委員会に打診していたらしい。ただ教育委員会から依頼された専門家が現地のブロック塀を見て、問題ないと報告したという。一体何をどの程度見て問題ないと判断したのか。あるいはその専門家とは、一体どの程度の専門家だったのか、大いに疑問が残るが、それを今更言っても仕方のないこと。ただ亡くなられた少女のご冥福を祈るのみです。
その事故をきっかけに、全国各地でコンクリートブロック塀の安全性を見直す動きが出ており、国交省のHPにもブロック塀の安全点検に関する、簡単な基準が掲載されている。また昨日あたりは、神奈川県横浜市の教育委員会が「通学路にあるブロック塀の安全性を各保護者が気にして欲しい」と言った趣旨の案内をしたところ、「素人の自分達に任せずに行政が何とかしろ」と言う反発まで出て、かなり喧々諤々しているらしい。
なるほど、そうかも知れないね。なんせ専門家が見ても判断を間違えることがあるのだから、素人が見たって分かる筈もない。まして夜の夜中に、他人様の家の塀をジロジロ見るわけにもいかないだろう―と言った、斜め45度の意見まであるらしい。考え方や意見は人それぞれだから、賛否両論あるのでしょうね。でも一つだけ、大切な事を見落としているような気もします。
それは一にも二にも、守りたいのは我が子や地域の子供の安全だということ。勿論、大人だってお年寄りだって守りたい。だったら自分達でも出来ることってあるんじゃないの? と、思ってしまうわけ。例えば子供たちと一緒に通学路を歩いて、「ここのブロック塀は高いね」とか「あそこの石垣はヒビ割れているね」って、地図に気になった個所を赤丸で囲んでみればいい。それを学校に持ち寄り、「〇〇小学校の通学路アボイドマップ」みたいな物を作ってみてはどうか。それを基に危なそうなブロック塀のある家には注意や改修をお願いしたり、あるいは行政の力を借りることだって可能かも。だいたい学校にはPTAという巨大な連絡網があるのだから、こんな時こそ活用すれば、それはきっと大きな力になる筈。町内会や自治会、子供会を利用するのだって良い。
ふだん遣りたくもない行事やイベントの役を押し付けられる苦痛な団体と嫌っているグループって、実はこちらから仕掛けて動かすグループなんじゃないかと思うのよ。そしてこちらから動かして初めて、活きた団体の活動になるんじゃないかなって思う。
ちなみに今から20年ぐらい前に、小田原市に企画書を作って持って行ったことがある。近くにある小学校の通学路マップを作りましょうと言った内容で、通学路内にある危険な場所や外灯の無い暗い道等を把握して、子供たちは勿論、保護者や大人も気を付けてあげましょう。そしてそんな地図を、親子一緒に作ってみましょうよ。と言った内容だったけど、提出した企画書に対するリアクションは一切なかった。良いでも悪いでも無く、ただの黙殺。たぶん直ぐにゴミ箱行きだったのだと思う。でね、その時思ったのよ。行政を当てにする前に、自分で動いた方が早いんじゃないの、って。
自分一人じゃ何も出来ないって思っている、そこのお母さん! きっと貴方の廻りにも、貴方を助けてくれる人が居ます。力になってくれる人、知恵を出してくれる人、一緒に動いてくれる人が居る筈です。どうか難しいと投げてしまわずに考えてみて下さい、きっと何かが出来る筈ですから。近所の建築家さんに相談したって良いかもしれない。まずは動いてみることが大切なのです。