そうきたか! と、思わず膝を打つ展開で、有栖川さん、いつもながらお見事でした。
インド亭と呼ばれる間原社長の御屋敷に、月に一度、前世に深い繋がりを持った7人の男女が集まり親交を深めていた。その中の一人が、自分の前世から現生の死ぬ日までの全てが記録された、インドに古来から伝わる「アガスティアの葉」と呼ばれる葉で、リーディングをしてみないかと持ち掛ける。そしてそのイベントに立ち会った者たちが、次々と殺されていく。その死は予言されていたのか? 捜査を依頼された臨床犯罪学者の火村と推理作家の有栖川有栖は、連続殺人の謎に迫っていく——国名シリーズの第9弾。
物語は現生と前世との関係が複雑に絡み合っています。輪廻転生なんて言葉が、そこかしこに出て来ますが、これを飛ばして読んでしまうと、一番面白いところの意味が分からなくなります。ですからその辺りを大事に読みましょう。というか有栖川さんの作品は、どれも文章のリズムが良く、まるで歌を聴くように読むことが出来ますから、飛ばして読むなんてことにはならないと思いますけどね。
もし興味があるので、手に取っ手パラパラしたいと思われる方は、出版社のサイトで第1章を試し読みすることも出来るようですので、ぜひ覗いてみて下さい。
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webで立ち読みできるって、凄い時代になったものですね。
ところで学生アリスの江神さんシリーズは、平成のうちに出るのでしょうか。