『国境事変』誉田哲也著/読了

「ジウ・シリーズ」に登場した東警部補が主人公のスピンオフ的な作品で、2007年に発刊されたもの。

物語は、不審な韓国人釣り客を見かけたという情報が入った対馬の交番から始まる。密輸や密入国を懸念し、目撃された二人組を探し始める対馬警察。そんな頃、東京の北新宿で在日朝鮮人が殺害される事件が起きた。被害者は公安が内偵を進めていた人物。公安は被害者の関係者でもある「G4」の存在を、捜査一課に知られまいと独自の調査を始める。殺人事件として捜査していた捜査一課の動きから、内偵を進めていた北朝鮮絡みの監視を休止せざるを得なくなる公安。公安の動きを知らなかった捜査一課の東警部補は、事件の背景に公安が関係していることに気付くのだが、事件は国防を揺るがしかねない大きな問題を抱えていることを知る――

2007年に書かれた作品ですが、物語を読んでいると、「ひょっとするとこれは真実なのでは?」と、思ってしまう。いや少なくても、まるっきりの創作話でもないだろう。そう感じさせるところが本書の魅力だと言える。けっこう好きです。

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