紙幣が一新されると報道がありましたが、一万円札の肖像画が「渋沢栄一」氏になると聞いて驚きました。渋沢栄一氏と言えば、「近代資本主義の父」と呼ばれた方で、現在の日本経済の礎を作られた方です。現在使用されている紙幣の肖像画を選ぶ際にも候補に挙がった方で、財閥こそ作りませんでしたが、この方が居なければ今の日本経済は、ここまで発展していなかったのでは? と言うほどの方です。そんな渋沢栄一氏の記念財団が東京都北区王子にありす。月に一度、機関誌の『青淵』を発行されており、経済界の中心人物をはじめ多く著名人が愛読されているとのこと。
なにを隠そうその機関誌『青淵』に、寄稿させていただいたことがあります。私が寄稿させていただいたのは、今から7年前の11月に発行された第764号でした。当時機関誌の編集を担当されていた方が、拙著『犯行現場の作り方』をお読みくださり、御連絡をいただいたのです。当時、財団の機関誌に私ごときが未熟な文章を書かせていただいて良いものか、恐れ多いのではないかと怯んだことを覚えています。なんせそこに執筆されていらっしゃる方々の凄いこと凄いこと! スーパーゼネコンの常務や元・プロ野球リーグの会長やら大学教授やら大手金融機関の頭取やらと、それはそれは蒼々たるお歴々。まあそんな中に際物を一つ混ぜておこうかというお考えだったのだと思いますが、機関誌を購読されている皆様はドコゾノ馬の骨の寄稿文に目を止め「これは誰だ?」と、首を捻ったこと思います。今回、新紙幣の肖像画に選ばれたと知り、あらためてあの時の光栄な御依頼に感謝します。私の中の「誉れ」です。