『こうして誰もいなくなった』有栖川有栖著/読了

デビュー30周年を迎えた有栖川有栖さんの短編小説集で、表題作『こうして誰もいなくなった』をはじめとする計14作品が収録されています。まず表紙が良いです。この表紙をツマミにして、バーボンのロックを2杯はいけます。これから読み始める世界には、どんな驚きが隠されているのだろうと想像することができます。

作品の中には二ページで終わってしまう短い作品もあれば、中編と呼んでも良いボリュームの表題作もあります。またファンタジー的な作品もあればロマンチックな作品もあり、メルヘンや本格物と縦横無尽に有栖川ワールドを余すところなく披露されています。クリスティーの『そして誰もいなくなった』へのオマージュ的な作品には、原作には登場しなかった名探偵までもが登場しており、それがまた楽しい。是非!

祝 デビュー30周年。令和も益々のご活躍を。

20190511.jpg