『死を招く盗作』J・D・ロブ著/読了

2061年2月下旬、ニューヨーク・タイムズスクエアの映画館で、クラシック映画のヒッチコック監督作品『サイコ』の上映中に、女性が首を錐状の物で刺し殺されると言う事件が起きる。被害者と一緒に映画を観に来ていた友人が、ほんの一瞬席を離れた間のことだった。通報を受け駆け付けた警察により劇場は直ぐに封鎖されるのだが、被害者らしき人物は見つからず、館内の各所に設置されていた防犯カメラにも怪しい人物は写っていなかった。事件発生から数日後、捜査を担当している警部補のもとに、警部補の友人に連れられ遣って来たのは、有名な女性ミステリ作家だった。彼女が言うには、被害者が殺された状況が自分が過去に書いた作品の殺害方法に酷似しているとのこと。そして新たに彼女の過去のミステリ作品と酷似した殺害方法で、第二の事件が起きる。イヴ&ローク・シリーズの第47弾『DARK IN DEATH』。

読後の感想は、「長い!!!」でした。関係者の皆さん、ゴメンナサイ。

600頁を超す作品ですが、そのぐらいのボリューム作品は多いので、ページ数の問題と言うよりも、本筋の事件以外の話しが多過ぎたように感じました。事件と関係の無いシーンや会話が多く、それは日常をリアルに描く中では必要なのかもしれませんが、事件と事件の間が間延びしている感が否めませんでした。映像化するのならこれでも良いと思いますが、本でこの進み方は辛かったです。

また設定は面白かったのですが、途中まで犯人の正体に関して皆目見当が付かず、その動向を追い求めるのに時間がたっぷり掛かっていたにも拘らず、後半で一気に畳みかけ過ぎてしまい、これだけの用意周到な殺人計画を練り上げた犯人が、捕まえてみればただのアホに見えてしまいました。練りに練った計画で殺人を繰り返す犯人が、そんなに稚拙な人物とは思えないので、肩透かしを食ったような気分です。あ、それから設定が2061年と言う未来である必要性が、本作がシリーズ初見の自分には分かりにくかったです。ま、第一作から読めよって話ですけどね。

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