インスペクションをやって買うのか、やらずに買うのかは本人次第

中古住宅を売買するときに、インスペクションをしない売主や買主。そしてその必要性を正しく知ることもなく、丁寧に説明することをしない不動産の仲介業者。勿体ないと思わないのだろうか?

中古住宅を購入する際に、その建物がどんな状態であるかを知り、将来のメンテナンスに備えることも出来るのに、なぜか根拠の無い自信で「この建物はきっと大丈夫」と、信じ込んで契約をする人がいます。

そして入居後に、あそこが変だ、ここがおかしいと騒ぎ立て、一度専門家に見て貰い、場合によっては売主や不動産屋に文句言ってやる!と、鼻息を荒くする。そんな勢いのまま連絡してきて、まるでお前もあいつらの一味だろうと言う口調で捲し立ててくる……意味が分からん。

いやいや、私、あなたとは初対面ですし、その不動産会社さんとも知り合いじゃなければ、その売主さんだって知りません。あなたが怒っていることは理解しますが、それ、私には何も関係ないことなので、一度大きく深呼吸をして、水でも飲んで落ち着いてからお話ししまょう、って感じです。

挙句の果てには、こんな私は可哀想なので、あなたは私のために無料でインスペクションをやるべきだ――なんて話になるから、もうダメ。話が斜め45度の方角に飛んで行ってしまってるから、これ以上は話を聞くだけ時間の無駄ってことになる。

これ実際にあった話なので、余計にインスペクションの大切さを感じます。私に言わせれば、売る側も買う側もインスペクションの重要性を考えることもなく、若干の費用負担を惜しんだことが間違いなのです。そして宅建業法で明記されているのに、重要事項説明の際にインスペクションの必要性を正しく説明することもなく、とにかく契約書に捺印させ、無事に仲介手数料を手にしたい!と、そのことだけを考えている不動産会社にも大いに疑問を覚えます。

来週も一軒、調査を依頼されています。たぶん2時間程度の調査だと思うけど、その2時間と数万円の費用はとても重要だということを知っておくべきだと思いますよ。後悔先に立たずってやつです。