『魔女がいっぱい』ロアルド・ダール著/読了

2020年にアン・ハサウェイ主演で映画化された『魔女がいっぱい』。原作本の作者はロアルド・ダール。映画は観ていませんが、懐かしかったので本棚の奥から原作本を引っ張り出して再読。

人間に紛れて生活する魔女たちは、子供が大嫌い。そんな魔女たちが一年に一度集まって、恐ろしい計画を相談する。そんな集会の場に、うっかりと迷い込んでしまった主人公の少年は、運悪く魔女たちに見つかってしまう―――。私が読んだのは、ロアルド・ダールコレクション13巻です。

ロアルド・ダールと言えば、2005年にティム・バートン監督、ジョニー・デップ主演で大ヒットした映画『チャーリーとチョコレート工場』の原作者としても有名ですが、私の場合にはミステリ『あなたに似た人』の作家としての方がピンときます。『南から来た男』なんて、ヒッチコック映画としても秀作でしたからね。

ロアルド・ダールの作品は、ダークな世界観に包まれている物が多く、必ずハッピーエンドで終わるかと言えば、そうでもありません。この作品でも主人公の両親が冒頭、交通事故で無くなるのですが、そこなんてあっさりと一行でまとめられています。その後、おばあちゃんに引き取られ、二人で暮らすようになるのですが、その辺りの話はただの導入部の扱いなのです。子供にとっては両親の死、環境の変化って大ごとだと思うのですが、描かれ方を見ていると、そっちの方が怖かったりもします。

とまぁ、なんだかんだ言いながらも、『ロアルド・ダール・コレクション』は、全巻揃えて持っています。本棚がギュウギュウで整理することもありますが、こういう本は手放せません。児童書として優れているので、お子さんと一緒に、読まれてみては如何でしょう。

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