建築の世界で「柿渋塗り」と言えば、まず初めに思い付くのは家具への塗装です。他にも漆を塗る前の下地に柿渋を塗ることもありますし、それ自体を仕上げ材とする塗装もあります。もともと柿渋とは呼んで字の如く、渋柿を発酵させたものなので、それなりに独特の匂いがするのですが、防虫・防腐・防水効果が高いことで、建築の世界だけでなくあらゆる分野に利用されています。私も何度か採用したことがありますが、塗装時の匂いがきつかったことが印象に残っています。
で、そんな柿渋ですが、奈良県立医科大学の研究チームの発表に拠れば、新型コロナウィルスの活動を1/10000以下に不活化させることが出来るのではないかとのこと。「不活化」とは、凄く簡単に言うと死滅させることを言いますが、学術的に100%確定した検証ではないので、「出来るのではないか?」と言われているようです。
柿タンニン(柿渋)による新型コロナウイルス感染症動物モデルでの重症化予防および感染伝播抑制効果を証明
研究チームに拠れば、これからより高い治験結果を求めるために、協力してくれる専門家チームも広く募集しているそうです。
結果が出るのはまだ先のことだと思いますが、取りあえずこれから設計する家の玄関の壁とかに柿渋を塗ってみるかな……なんて思っている今日この頃。