少し前に、住む場所も職場も全く違う3人の方から「契約している電力会社が無くなるので、他社に乗り換える必要がある」と言う話を聞いたけど、よく考えればインフラの自由化って、本当に良いことなのだろうか? 確か東日本震災後に東京電力の財政的なことなどから、電力の供給に関して広く門戸を開き、自由競争になったと記憶している。(違っていたらゴメン) それ以降、いろいろな分野の企業が電気事業に参入し、価格競争をするようになった。その結果、私たちユーザー側も安い会社を選定して契約するようになったが、価格競争が高じて電気会社が倒産するという事態は想像していなかった。でも倒産した。
で、ふと冷静になって考えてみた。電気が自由化されるなら水道だって自由化されてもおかしくないよね。で、調べてみたら、やっぱり水道事業も近い将来民営化されるという記事を見付けた。水道事業改正法と名付けられた法案が審議されていたのが昨年2021年の話。
外国では水道事業が民営化されている国もあるが、日本は昔から国が管理していて、水道の蛇口から出る水が飲める数少ない国の一つとして、なんの心配も無く水道の水を飲んでいた。
小学校の頃、グランドを走り回り、カラッカラに乾いたのどを潤すために、蛇口の水をがぶがぶ飲んでいた国です。それは一にも二にも、国が管理している安全な水だと、何の疑問も抱かずにいたから飲めた話。それがどこの誰かも分からない民間企業が供給している水となれば、申し訳ないけど話は少し変わってくる。
もしその水道水を供給している企業が、不埒な企業だったらどうする? あるいは経営や管理体制が杜撰で、有害物質や異物が意図せず混ざってしまったらどうする? その水を飲んで、お腹壊した時に「わが社では保証することが出来ませんので自主廃業します。明日から水は出ません」なんてことになったらどうする? と、心配になる。
ロシアがウクライナに対して不当な侵略行為を行っている最中だけど、それに異を唱えたフィンランドに対して、ロシアは供給している「電気を止める」と脅しをかけた。それって日本でも同じことが起きるでしょ。例えば外国資本の企業が電気や水道事業に参入し、日本と不都合な状況に陥った時に「この国の水道を止める」とか「この国に電気は使わせない」となっても不思議ではない。勿論、外国企業を算入させないと規制はするでしょうけど、それだった現実的には無理な話で、現に今、関西方面では外国企業が電気事業に参入している。それって本当に危険な話だと思うのです。
ちなみに東日本の震災以降、一時期「蓄電池を家に常備して、いざという時に備えよう」みたいな雰囲気が高まった時期があったけど、あの時に持て囃されていた蓄電池って、ほとんどが大陸製品だった筈。そしてそれは今も、あまり変わっていない。太陽光パネル然りでさ。ま、そんな所まで話を広げなくても良いけど、国が責任を持って管理しているから信頼できるし安定供給が期待できるのだと、あらためて気づいた。
たまに老朽化した水道本管が破裂して、道路から噴水のように水が抜き出す動画を見ることがあるけど、あれって本当に稀な話。日本では水道管本管の漏水を専門に調べる検査員が居て、音で漏水個所を探しだし、いち早くメンテナンスに望む国だから。
とまぁ話がアチコチ飛んだけど、何でもかんでも民営化すれば良いってもんじゃないことは、2007年からずっと思ってます。