木工事中の塚原の家。2階は床を張り終えましたが、明日から断熱工事が予定されているので、大工さんは明日から外部工事に逃げます。断熱工事を終えた後には気密測定試験を行い、建物の気密性能を試験します。気密が悪ければ穴を塞ぎ、気密性を高めなければなりません。そもそも気密試験とは何ぞや? なぜ気密試験を行う必要があるのかと言うと、それは第一種換気を採用しているから。
もう少し詳しく言えば、こどもエコ補助金を受給するために、一般的な家よりも断熱性能と省エネルギー性能を高めているので、諸々を考慮して気密性能を高める必要があるという事。
一般的には第一種換気を採用した場合、換気による温度変化やエネルギーの無駄遣いを、かなりの高い数値で防ぐことが可能です。ですがそもそも建物の気密性能が悪いと、換気システムや断熱材の性能が高くても意味が無いことになります。家って、意外とあちこちに隙間が空いているのです。例えば窓の周辺やエアコンの配管の穴、電気のコンセントなどにも外部からの隙間風が流れてきます。もっと言えば床のフローリングの継ぎ目からだって隙間風は入って来ます。
これらを丁寧に塞いでおくことで、初めて気密性の高い家となります。その気密性能の高さを数値化して表すのが気密試験です。第一種換気を採用した家の場合、C値と呼ばれる建物の隙間の面積は、0.5cm2/m2~1.0cm2/m2が理想とされており、限りなく0に近い方が良いのです。
電気のコンセントボックスには、プラスチック製の気密カバーが被せられます。電線がカバーを貫通ている箇所は、気密テープで塞がれますが、こうした地味な作業がけっこう大切なのです。デジタルで合理的なことが最優先されるような時代ですが、物を作ることは、時に非合理的なことが重要だったりすることもあります。
これが最良の家造りだとは言いませんが、こうしたニーズが高まりつつあることも事実として受け止め、ニーズに対応できる知識だけは持っておく必要があります。勉強することが多くて、けっこう楽しいです。