お盆期間中、日本を横断し各地に大きな被害を与えた台風7号。私は出掛けることも無かったため、公共交通機関の乱れによる影響を受けることもありませんでしたが、この期間中に飛行機・船・鉄道の乱れに影響を受けられた方は大変だったと思います。出掛けることでリフレッシュするどころか、かえって疲れてしまったのではないでしょうか。とは言え、台風がこの期間に来ることは前から予報が出ていたので、交通機関の乱れは織り込み済みだったとは思いますが。
で、不思議に思ったのは、この公共交通機関、なかでも新幹線の計画運休に対しての批判的な報道が散見されたことです。なかには「新幹線を止めるなんてけしからん」と、口角に泡を飛ばす勢いで話されているコメンテーターさんもいらっしゃいましたが、凄く違和感を覚えました。ホントにそう思ってます?と。
東海道新幹線は最高時速285km/h、山陽新幹線は300km/hを超える速度で走っていることは、ご承知のことだと思いますが、その速度で走っている新幹線は、今までにただの一度も走行時の死傷事故を起こしたことが無いことも、また有名な話です。高速で走るがゆえに、より安全を優先させるのが日本の新幹線であり、だからこそ平時には安心して仕事や旅の足として利用しているのです。
その新幹線を大型台風が来ることを承知の上で、高速走行させることを本当に望んでいたのでしょうか。もし万が一に、乗車率が100%を超える満員状態の新幹線が事故を起こしたら、その被害は計り知れません。また事故が起きた際の救助活動や怪我人の搬送や手当に対しても、台風は大きく災いすることは誰が考えても分かります。何も問題が無かったから後から彼是と文句を言えるわけであり、文句を言われた側が反論できない立場にあることを承知の上で、笠に着てクレームを付けている言い方には、聞いていて不快感さえ覚えました。
ダイヤの乱れに影響受けられた方は本当に大変だったと思いますが、公共交通機関の無理な稼働により大きな事故や災害に繋がることが無かったことは何よりでした。今後もより安全に、そして快適な運航をお願いします―と、言ってくれる報道機関が一社でもいてくれたら救われたと思いますが、皆無だったことが残念です。