伊東市の下田寄りに位置した場所に、伊豆高原という高級別荘地があります。かつてのと呼んだ方が良いのかもしれませんが、一昔前は「軽井沢か伊豆高原か」と、言われるほどの場所でした。そんな伊豆高原で別荘のリフォーム計画のご相談をいただき、打ち合わせに現地に行って来ました。車で約1時間半ほどの距離ですし、凄く久しぶりに行くので、せっかくならばと少し早く出て寄り道してきました。寄り道した場所は伊豆高原内にある「池田20世紀美術館」。
ここは本当に好きな美術館で、昔はよく行きました。キスリングの『女道化師』を初めて観たときには、その物悲しい表情につられて泣きそうでしたし、北村西望の『喜ぶ少女』を観たときには、その愛くるしさから目を離すことが出来なくなったことを覚えています。あの頃は作品を堪能した後に喫茶コーナーで美味しい珈琲を飲み、煙草を燻らす至福のひと時を楽しんでいました。たぶん現実逃避した時間が好きだったのでしょう。そんな美術館を訪れたのは何十年ぶりのことです。
駐車場から階段をのぼり玄関へと向かう途中では、『家族』と名付けられた作品が迎えてくれます。
エッジの利いたシャープなデザインは、今でも美しい建物です。
正面入り口、今もドキドキ感を感じさせてくれます。特別展示は木彫家・前島英章の個展でした。どの作品も愛くるしく柔らかさと優しさのあるものばかりでしたが、なかでも『佳日』とタイトルの付けられた作品には、やはりちょっと泣きそうでした。歳を取ると、どうも涙腺が緩いです。でも凄く贅沢な時間を過ごすことが出来て楽しかったです。
東伊豆に遊びに行く機会があれば、是非一度立ち寄ってみて下さい。きっと優雅な時間を楽しむことが出来ると思います。ちなみに今は喫茶コーナーは営業していませんでした。また美術館の道路反対側にあるイタリアン料理店は、超人気の店ですので入店できたらラッキーです。私は予約してなかったので入ることが出来ませんでしたが、次に伊豆高原に行くときは、絶対に予約して行ってこようと思っています。