久しぶりに読んだIWGPの第16弾。マコトもキングもサルも、お元気そうで何よりって感じ。本の中の人物も歳は重ねているのですが、読んでいるこちらの頭の中では、ずっと若いまま。ただし池袋で起きるトラブルの中身は、時代の移り変わりと共に変化しています。とくに表題作の『獣たちのコロシアム』は、ネット時代全盛の今ならではの胸糞の悪い事件ですが、これが創作の話ではなく、現実にありそうなところが恐ろしくも不愉快です。凄く掻い摘まむと、ネット世界の暗部ダーク・ウェブと呼ばれるサイトの話。子供を虐待する動画や音声をネットにUPし、その残虐さを見て喜ぶ動画投稿者と閲覧者たちが集うサイトの話。ネットの中の作り話ではなく、実際に虐待されている子供は本当に居るわけで、そんな奴らは許せないと立ち上がるマコトたち。当然、キングもGボーイズも暴れますってお話し。
IWGPシリーズの良い所は、短編集なので一話ずつ簡単に弱めることと、文体の読みやすさだと思います。重くてずっしりした本を読むことが辛い時に読むには、最適のシリーズ! と書いたら叱られそうですけど、でも自分の中ではそんな感じのシリーズなので、これからの活躍も楽しみにしています。