『15歳のテロリスト』松村涼哉 著

動画共有サイトに、新宿駅を爆破すると言う犯行予告動画がUPされた。犯人は15歳の少年・渡辺篤人。顔を晒し、自分の氏名、住所、年齢、通っている学校までもを読み上げ、この犯行予告が嘘ではないことを宣言する。平日の朝、通勤・通学の時間帯に爆破予告されたこともあり、新宿駅の全線が止まるという非常事態が起きる。そして予告通りに爆破が起きた。幸いにも死者は出ず、巡回中の警備員の一人が軽い怪我を負った程度で済んだが、その数日後、またしても動画共有サイトに、犯行予告の動画がUPされる。少年の目的は何か? テロリストとしての戦い目的はどこにあるのか。少年法を軸に捉えた作品―

展開が早く、文体も読みやすかったので、あっという間に読了したけど、内容は意外とヘビーです。少年法に対する問題提起と言うよりも、「あなたはどう考える?」と、問われた問題提示のような作品。エンタメとして読むのも良し、現行の少年法に対するアンチテーゼとして読むのも良し。それが読書の楽しみです。

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