20年ほど前に設計させていただいた小田原の高台に建つ家。家のメンテを兼ねたリフォームを考えられているということで、新築工事に携わっていただいた建設会社さんと一緒に、お邪魔してきました。リフォーム内容は外部のシールの打ち直しや、劣化・破損個所の修繕をはじめとした外回りの工事と、室内の水回りの一部を改造。詳細は建設会社さんにお任せし、私は顔つなぎと「ご無沙汰しております」のご挨拶。
新築当時、就学前だった男の子が、今では建築を学ぶ大学院生になっており、マスクをしていたこともあり御主人と間違えて挨拶するほどの成長ぶり。いゃぁ、子供の成長って凄いですねと驚くとともに、自分の歳を実感させられました。室内には卒業制作の大きな都市計画模型が飾られており、なんだか凄かったです。建築を目指したきっかけは、どうやら家造りだったとのことで、自分の家のことや私の事務所に飾られていた模型などにも影響を受けたとのこと。この先の御活躍を期待しております。
で、そのお家、エアコンがありません。新築時には確かに、エアコンを使わない生活を目指していたのですが、この二十年間、本当に設置もせずに暮らし続けられていたのは驚きです。ちなみに冬の暖房ですが、薪ストーブはあるものの、年間通しても一日も使わないこともあるそうで、堀こたつだけで凌いでいるとのこと。冷暖房コストの省力化は抜群ですね。
2階の居間に昔懐かしい蚊帳が吊られていました。いや~、蚊帳の中で眠るの楽しそうだな~、なんて思いながら、お話をお伺いしていました。私が蚊帳で寝たのは遥かに昔のことで、天井から吊られた蚊帳の四隅を、部屋の隅に縛り付けていたような記憶があります。蚊帳の中に蚊を入れないようにモゾモゾと潜り込むのが、なんか楽しかったな~。とまぁ、そんなこんなで、ここ小田原でも「エアコン知らず」の家はあるのです。
リフォーム工事は建設会社さんにお任せしますので、宜しくお願いいたします。
コメント
この小田原にお住いの方もエアコンの無い家と知り、親近感を覚えました(笑)。他にもいらっしゃったんだ。うちも自宅を建てる時に、建築家に「おそらくエアコンを使わないので、それで生活できる仕様にしてください」と伝え、今に至っています。冬はコタツと小さな電気ストーブをポイント・ポイントで使っています。
今の住居はエアコンを使うことが前提の建て方のようなので、こちらの意向を伝えればエアコンを使わない生活は可能なような気がします。ただ周りの方に「うちはエアコン無いんです」と話すと(・・・・)と目を丸くされ、その後(????)の表情になるのであまり話題にしません(笑)
エアコンに頼らない生活に憧れる方は、一定数いらっしゃると思います。ただそのニーズを汲み取って、うまく対応できる作り手を探すことが難しいのかもしれませんね。今の家はエアコンを主とした生活を前提としているため、「エアコン要らない」と言われると驚かれるのは仕方ないかもしれません。
土地の環境、住み手の覚悟、造る側の理解と創意工夫があって、はじめて成立するのだと思います。久しぶりに、そんな家を考えてみたくなりました。ご希望される方の、御連絡をお待ちしております(笑)