『池袋ウェストゲートパーク XIX 神の呪われた子』石田衣良 著

IWGPシリーズの第19弾。今回も池袋のトラブルシュータ―・真島誠と、Gボーイズのキング崇が活躍する。新興宗教に嵌まった親に育てられた宗教二世の女子高生・ルカ。母親に連れられて教団に通うルカは、教祖の花嫁候補として選ばれてしまう。教団内の武力行使グループが、ルカが助けを求める子供食堂や誠たちに襲い掛かる。ルカ救出のために、Gボーイズキングと誠が立ち上がる。表題作のほかに三篇が収録されている。

国産ウィスキーが値上がりしてバブルを迎える話や、過激な押し活動を止める話、闇バイトの話などが描かれているが、どれも現代社会の抱える生々しい問題ばかりなので、スッと入ってきます。何より良いのは、キレイに解決するところ。現実はそれほど生易しくないことを知っているので、主人公の身近な範囲だけでも解決できれば、読み手としては救われるので。まだまだ老け込まないで活躍して欲しいですね。