『花束は毒』織守きょうや 著

元医学生の真壁の元に「結婚を止めろ」という差出人不明の手紙が届く。真壁の地元の後輩でもある木瀬は、地元でお世話になった真壁を助けようと探偵に調査を依頼するのだが、真壁には真相を追及して欲しくない理由があった。真実に近づくことが、4年半前のある事件へと繋がっていく―

織守さんの作品は初めて読みましたが、文章が読みやすく、ともすれば冗長に感じてしまいそうな真相への探求も、飽きさせない筆圧の高さを感じました。

織守さんの作品は、ホラー寄りという印象を持っていたのですが、その印象は当たらずとも遠からずでした。ホラーと言っても幽霊や妖怪・魑魅魍魎の類ではなく、人の情念や怨念みたいな物がドロドロと纏わり付く感触を「ホラー」だと思っているのですが、まさにそんな感じの作品。まさに怖い終わり方をしています。