『カフカ断片集』カフカ 頭木弘樹 翻訳

友人との待ち合わせに早く着いてしまい、本でも読んで時間を潰すかと書店に飛び込んで購入した一冊。雑踏の中でベンチに腰を下ろし、カフカを読んでいる時間は、なんとも贅沢な時間でした。

フランツ・カフカはチェコの生まれで、ユダヤの家庭で育ったそうです。私が読んだことがあるのは『変身』の一冊だけ。主人公のザムザが朝起きると、身体が芋虫に変身していたという話。面白かったのかさえ覚えていない昔に読んだのですが、インパクトの強さは抜群でした。

そんなカフカの本を手に取ったのは、「カフカの神髄は断片集にあり」の一文に惹かれたから。雑踏で賑わう場所でも、集中して読めるほど面白かったです。詩集でもあり、小説のプロット集とも言えるし、凄く短い短編集とも言えるような内容でしたが、どこか哲学書のようにも感じました。

もしここに書かれている断片が結実したとしたら、それは凄い作品群になっていたに違いないと感じさせます。カフカに凄く惹かれた一冊です、他も探して読んでみます。