鴨宮の家が地鎮祭に先駆けて、地盤補強工事を行いました。地盤補強工事と言っても、敷地全体が軟弱なわけではありません。敷地の角に使われていなかった古い浄化槽が埋まっていたのですが、それを撤去した部分があります。平面的には畳三帖にも満たない広さで、深さにして1.6m程の場所。
本来ならば、根伐り工事の際に十分に転圧を施せば、建物形状から考えても問題ないと判断も出来るのですが、将来的なことを考慮して、その部分だけ補強しておこうと判断しました。
将来的なことと言うのは、「地盤保証」を付けるか否かの問題です。地盤保証とは、地盤が原因で建物に損傷を与えた場合、その修復工事や保証を行うための保険のことです。今では住宅工事の際に、瑕疵保険に加入することはご存じだと思いますが、瑕疵保険は前提として建物工事に関する保険で、地盤が原因で発生した損害には対応していません。なので地盤保証に加入しておくことも大切なことなのです。
勿論、加入の必要性を考えるのは建築主ですが、一度は入らないと考えた建築主が、後から「やっぱり入る」となった時でも、加入できる状態に整えておく必要があります。で、今回の地盤補強工事は、後からでも地盤保証に加入することが出来る準備作業としての工事なのです。設計者、施工者にはこういう配慮も必要なのです。