書名買いした作品。
密室で殺人事件が発生した場合、もし犯人が特定されても、密室の謎が解明されない限り殺人は不可能と判断され犯人は無罪、という法律が出来た時代の話。裁判でこの判決が下されることになった最初の密室殺人事件の、犯人と目される女子高生が主人公の密室物ミステリ。
有名なミステリ作家が残した「雪白館」で、密室殺人事件が起きる。現場には謎のトランプが一枚残されていた。そのタイミンクで雪白館に続くたった一本の橋が落とされ、館は孤立してしまう。そして第二の殺人が起き、そこにもまたトランプが一枚残されていた。
図版もあり、密室トリックがテンコ盛りでしたが、私は少し苦手でした。物語を追い掛けて読み進めるというよりも、密室トリックって、こんな感じでやれば簡単にできるでしょ~という、解説文を読まされているような気がして、中盤以降は少し辛かったです。パズルが好きな人にはお薦めしますが、ミステリを文芸として読みたいと思っている方には、あまりお薦めできないかも? と言った感じです。でもこれだけのトリックを、次から次へと考え出してしまうことには脱帽です。