突然の「家」


家を建てようとする時、たいていの方は建設資金の準備をし、どんな家にしようかと彼是と考え、雑誌やネットを眺めつつ、自分達の新居に思いを馳せる。
どのHMに依頼するか、あるいはあの建築家が良いか、こちらの建築家にしようかと迷うことだろう。
それが楽しい準備の時間となる。
だが稀に例外もある。
ある日突然、家を建てなければならない状況に追い込まれてしまう方が居る。
それは災害などによって、突然家を無くしてしまった方だ。
御相談いただいたのは、隣家の出火により自宅を全焼してしまった方の家。
全く何の準備もしていない状況だが、だからこそ一日も早く、そして予算を抑えた家を考えねばならない。
焼け跡の解体作業中
いつにも増して気負ってしまうが、こんな時ほど慌てず、騒がず、冷静に対応すべきなのだろう。
今更だが、家には、いろいろな人生が付いて回る。
それぞれの人生に対して、ほんの一部分だけだが携わる仕事は、楽しくもあり怖くもある。
今年から来年に繋がっていく仕事です。