『極上の孤独』下重暁子 著

喪中の新年なので、家で静かに過ごしていた。本でも読むかと書棚に積まれていた未読本から手にしたのは、下重暁子氏の『極上の孤独』。読み始めて半日もせずに読了。久しぶりに集中して本を読んだので、あっという間に読み終えた。

私もどちらかと言うと孤独が好きなタイプなので、書かれていることは全て納得したし、たぶん私自身が行っていたことばかり。その意味でもスラスラと読めたのかもしれない。

ただ少し違う点もあった。帯に大きな文字で「孤独は愉しい!」と書かれているが、私は意識して孤独を謳歌したことは無いし、「孤独サイコー!」と感じたことも無い。ただその方が楽だからという、どちらかと言えば消極的な無精者に近い気がする。

孤独を愛する人は、本を読む人が多いとも書かれていた。逆か? 本を愛する人は孤独を愛するだったかもしれない。ま、どちらも大差はないでしょう。

私も子供の頃から本を読んでいるが、本を読むことを義務だと思ったことは無いし、苦痛だと感じたことも無い。たぶん食事するのと同じ程度の感覚。だからたくさん食べる日もあれば、食べなくても良いかと思う日もある程度のこと。

最近は電車の中でスマホを覗き込む人が多いが、私は文庫本を読む。そこに大きな違いは無いし、人から稀有な目で見られる筋合いも無い。手にしているデバイスの違いは、newとoldの差ではない筈だから。

あぁ、一つ大きく共感した点があった。孤独は大勢の中、群衆の中に居てこそ感じるというが、これには完全に同意する。一人きりの空間で過ごす時間に孤独を感じたことは無いが、雑踏の中だと孤独を感じる瞬間を知っていたから。

ま、そんなこんなで2025年が始まりますが、今年もよろしくお願いします。