『D坂の殺人事件』読了 <よーやく20冊>

D坂の殺人事件
D坂の殺人事件
江戸川 乱歩
乱歩の初期の短編集。
「二癈人」をはじめ、名探偵明智小五郎の最初の事件としても有名な「D坂の殺人事件」を含む全10話を収録。乱歩独特の淫靡で官能的、そして血も凍るような残虐性は、やはり探偵小説の王道。
カー好きな私としては、子供時代に読んだ乱歩の影響だったのだなと再確認させられた。
特に「虫」の残虐性は秀逸。
殺害した女性が朽ちていく様を見た犯人が、死体から血を抜きミイラにしようと、もがく様には思わず目をそむけたくなる。こう言う描写は凄い。
子供には読ませられませんが(笑)、ミステリーと言うか、探偵小説は、やっぱりドロドロのデレデレが面白い。他には「赤い部屋」「白昼夢」「毒草」「火星の運河」「お勢登場」「石榴」「防空壕」など。
ちなみに「防空壕」は、他の作家が書いたら、絶対にミステリーのジャンルには入らない一作。(私はちょっと笑ってしまった作品です、はい)