いっちばーん!

市役所に、住宅の確認申請を出してきた。
民間の検査センターではなく、行政庁に確認を出したのは久しぶりで、なんだか新鮮。
この住宅の場合、建築確認の前に道路に関する許可を取る必要があり、その作業を市役所と1年近い時間を掛けてやっていた。だから、その流れで確認も市役所に出した訳だが、先月の20日から基準法が改正され、手続きが煩雑になったのを早速体験する羽目に・・・。
と言うのも私が提出した確認申請が、法改正後の小田原市で、第一号の確認だったのだ。
わーい、わーい、なんでも一番は良い事だ~~~などと浮かれている場合ではない。
手続きが変わり、書類の受付をするまでに、なんと1時間半も掛かる始末。もの凄く疲れた。


第一号なので、役所の担当者も探り探りの対応なので、仕方が無いと言えば仕方が無いが、たかが4号申請でこんなに時間が掛かるのでは、申請する側も役所の担当者だって、ちと辛い。
全てのチェックが終わり、受付担当の女性に手続きをして貰うときに、その女性がポツリと言った、「お金貰うのが怖い」と。えええ!?それはひょっとして、中断になったら没収だからって意味???思わずおねえちゃんに「中断切らないでね」と言ったら、「それは主事が判断する事ですから・・・」と、笑って返された。なんだかドキドキした・・・恋かも?←違うって!
それにしても4号の住宅レベルで、こんなに時間が掛かるのなら、特建だったらどうなるんだろう・・・・恐ろしい・・・。
この改正は、間違っていると思うよ>国交省さん
もともとは耐震偽装から端を発した、欠陥建築や違法建築を無くそう、あるいはさせないようにしようと言うのが趣旨だった筈。だとしたら、受付の段階で細かいチェックを入れ、そのチェックを潜り抜けた物は、おおむね決済される見込みの有る申請と言う事になってしまう。そうじゃないでしょ~?
建物の安全性が確保されている事が一番重要で、その為に腰を落ち着けて審査できる時間の確保や、能力の高さが必要なのでは無いですか?
また、設計する建築士への倫理教育や、職域あるいは職能を自覚させる教育も必要なのに、その辺りは完全にスポイルしておいて、事務手続きを締め付ければ「欠陥建築が無くなる」なんて考え方は、お門違いも甚だしい。
ならば問え!建築家、いや建築士としての倫理とプライドを持ち、自己の職責に恥じぬ設計と監理を成しているのかと。確認申請書の書類に、そう書いた欄を設け、そこに自筆で記名捺印させれば良い。・・・なんて言ってみても、悪い事をする奴は、どんな隙間だって見つけて悪事を働くと思うけどね。
真面目な建築士さんは、な~んか虚しいよね~~~。
☆補足☆
4号とか特建と言うのは、基準法の中で建物の用途を区別する番号みたいな物の意味。
すごーく平たく言うと、「4号」と言うのは木造住宅程度の建物の事で、「特建」と言うのは「特殊建築物」を縮めた言葉。デパートとかホテルや旅館、マンションなんかも特種建築物です。きっと、定期テストに出るから覚えておこう!