『赤朽葉家の伝説』読了 - 56

赤朽葉家の伝説
赤朽葉家の伝説
桜庭 一樹

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読み終えた瞬間に、「ふぅ~」と思わず溜息を付く。なるほど評判通りの、いや、それ以上の作品でした。祖母、母、そして娘の私と言う三人の女性を描く、三部構成になっていたのですが、正直言うと途中まで「???」と、不思議に思いながら読んでいました。だってこれ、推協賞を受賞したミステリーでしょ?と、思っていたから。もっとも、そんな小さな事を忘れさせるほどの筆圧の強さで、グイグイと引き込む力強さがあるのも確かです。だから「謎」が無くても、成立する作品ではありますけどね。
でも読み終えた瞬間の、「やられた感」は強かった。この高いレベルの作品を、コンスタントに書き続けられるとしたら、桜庭一樹恐るべし!です。

コメント

  1. みけねこ より:

    お疲れ様でした。
    前に私が、“物語として傑作”とカキコしたの、覚えてくださっていますか?…そういうことだったんです(笑)。
    私のブログにもこの間この作品の感想をだらだらと書きましたけど、探偵長様の“ふぅ~”という気持ち、よく分かります。
    ちなみに、最近発売された桜庭さんの新作、ミステリ要素はどうなのか知りませんが、『赤朽葉家』以上の傑作、という評判なんです。桜庭一樹、恐るべし、ですね。

  2. 探偵長 より:

    桜庭さんの印象が変わりました。
    人は外見では分からないものですねぇ~(笑)
    物凄く剛毅な感じがします。最後の最後まで、溜めて溜めて溜めて、ドカーン!とやれる、その辛抱強さ。
    最初はスローにスローにと抑えたら、大抵の人は後半に畳み掛けるリズムを持ってきたがる筈なのに、それさえも僅かなテンポアップで押さえる、ある種の粘着性(←誉めてます/笑)
    女性でないと書けないかな?と、感じました。女性には、やっぱり優しくしよっと。