『新・世界の七不思議』 読了-20

新・世界の七不思議 (創元推理文庫)
新・世界の七不思議 (創元推理文庫)
鯨 統一郎
先に読んだ『邪馬台国はどこですか?』に続く、広義での歴史ミステリー小説の第二弾『新・世界の七不思議』を読んでみました。前作は日本国内の謎にスポットを当ていましたが、近作のテーマは全て外国。
「アトランティス大陸」「ストーンヘンジ」「ピラミッド」「ノアの箱舟」「始皇帝」「ナスカの地上絵」「モアイ像」と、魅力あるテーマに、主人公が新解釈を推理します。
またBARでのお話であるだけに、前作では酒のツマミが魅力的でしたが、本作ではカクテルが多数紹介されて華を添えています。お酒が好きな人だったら、思わず「カクテル飲みてぇ~~」となってしまう事でしょう(笑)
ただし少しだけ残念なのは、前作で快刀乱麻の推理力を見せた主人公・宮田氏が、本作では少し引いたポジションに立っている事。勿論、最後には明快な新解釈を披露するのですが、設定として外国の歴史には疎いと言う前提なので、新説をグイグイと押して行くと言う強引さは無く、終わってみたら、なんとなくそう言う結論になっていた・・・・みたいな感じが、少し物足りなかったような気がします。
でもこの手の作品が、連作で同じクオリティーを保つには、少し難しいような気がします。読者として「言うは易し」ですが、作者(作り手)とすれば「行うは難し」でしょうね・・・。
さてと、小説ばかり読んでいないで、建築の未読雑誌が数冊詰まれたままなので、今度はこれを読んでしまわねば・・・・。