地上最強のロボット

浦沢直樹さんの『PLUTO』を読み始めたときから、いつか原作の手塚さんのアトムを読み返そうと思っていた。でもなかなかその機会は無く、気が付けば『PLUTO』は既に6巻に達しており、アトムも既に数巻前には謎の敵に倒されてしまった。そしてこの6巻ではなんと!(以下ネタバレ禁止主義なので割愛) これは早く読み返さねばと、慌ててアトムを探し出した。
鉄腕アトム 地上最大のロボット (プラチナコミックス)
鉄腕アトム 地上最大のロボット (プラチナコミックス)
手塚 治虫
昭和39年から始まった『地上最強のロボット』編は文字通り、地上最強のロボットとして作られたプルートが、世界最強の7ロボットを破壊し、自分の強さを確かなものにすると言う話だった。しかし連載中も連載後も、なぜかこの悪者プルートゥは人気が高かった。その理由は、本当の悪では無いからと、本の中で手塚さん自身が語られている。
アトムと言う漫画は今読み返すと、どこか寂しく悲しい雰囲気が漂っている。楽しい子供向け漫画なのに、人間の傲慢さや我侭、強い自己主張、醜い差別の心が、まざまざと描かれている。そんな人間の醜い部分が、純粋で真っ直ぐなロボットアトムの心を傷付ける。いや、アトムだけでなく、全てのロボットが人間に傷付けられては破壊されていく。「地上最大のロボット」は、人間のエゴや偏見、傲慢さを描いた話だ。
原作を読み直したことで、今後、『PLUTO』が、どんなふうに展開していくのかが、あらためて楽しみになった。

コメント

  1. 鉄腕アトム 地上最大のロボット (プラチナコミックス)

    鉄腕アトム 地上最大のロボット (プラチナコミックス)
    世界一の力とはどんなに馬鹿馬鹿しいものか。

    「ねぇ 博士 どうしてロボ…