セミナーに行って来た その2

建設会社が工事代金同等額を供託するか、あるいは保険に入ると言うのは、建物完成後に建設会社が倒産してしまったような場合を想定しての事。これも耐震偽装の事件がきっかけだと思われるのだが、故意あるいは重大な過失により、建物に瑕疵が発生した場合でも、今までは施工した建設会社が倒産している場合には、建築主を金銭的に救済する方法が無かった。だからどんなに悪どい欠陥住宅だったとしても、建設会社が倒産してしまっているときには、施主は泣き寝入りしなければならなかった。それを救済する為に考え出された方法が、この供託金で担保するか保険に加入した担保する方法。


例えば、とっても腕の良い、拘りのある大工さんに家を建てて貰いたいと考えたとしよう。この大工さんは、年間に一棟だけしか工事をしない。この大工さんに工事を頼む際に、大工さんは現金で2000万円、法務局へ供託しなければならない。期間は、たしか10年間。もし2000万円の供託が出来ない場合は、保険に加入しなければならない。そして当然だけど、この保険会社には、それぞれに守るべき技術基準(標準ディティール)があり、然るべきタイミングでの検査を受け、パスする事が前提となる。この時、この拘りのある大工さんが保険会社の標準ディティールを守らず、自分なりの拘りで建物を完成させてしまったとしたら、保険加入は認められず、その結果、建物を引き渡す事が出来なくなる。施主が、「そんな担保は要らないよ」と言えば良いのかもしれないが(←この辺りがまだ情報不足)、常識的に考えれば、そんな事は言わないでしょう。でも保険会社は絶対に認めない、となると唯一引き渡せる方法は、現金で2000万円供託する方法に戻る事になる。そんなお金ある?ちなみに年間に一棟しか建てない建設会社の場合で2000万円だから、10棟20棟建てる建設会社の場合なら、供託金の額は億を超える事になる。
つまり供託する会社は皆無だと考えれば、これからの住宅は、全て保険会社の標準ディティールでしか造れなくなると言う事。壁に大きなガラスを、木製の押え縁で固定するなんて事は、まず絶対許されない筈。
良い事も沢山あるとは思うけど、問題点も多いような気がする。去年の6月の建築基準法改正以降、下落する一方の住宅着工件数で、今年はその影響で倒産する建設会社が増えているが、来年は、もっともっと倒産する会社が増えていきそうな気がする。その渦巻く波に飲み込まれないように、それぞれが頑張らないといけません。その答えは、ただ一つですよね。頑張るべぇ!

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