れんげ野原のまんなかで (ミステリ・フロンティア)
あたり一面、ススキで覆われた場所に、ポツンと建つ秋庭市立図書館。ここに勤める司書の文子は先輩司書の能瀬や日野と、楽しくも暇な仕事をする毎日。ところが、そんな図書館にいっぷう変わった忘れ物が目立ち始めた。そしてそれをきっかけに、職員の目を盗んで、図書館の閉館後も居残ろうとする少年達が現れる―。<霜降―花薄、光る。>をはじめとする短編五作が収録されています。
図書館を舞台にして、そこで起こる日常の謎を丁寧に解き明かす。本好きや図書館好きには、たまらなく優しく柔らかなミステリ。読後に、また別の本が読みたくなる一冊。ちなみに私は、大地主の秋庭さんが良い味を出していて好きです。