記憶と結びつく本

新撰組”鬼の副長”と異名を取る土方歳三の小姓・市村鉄之助を主人公にした漫画『新撰組異聞 PEACE MAKER』を読む。土方と同じく実在の人物なので、記録されている史実とは違う点も多々見られるが、これはこれで十分面白かった。このシリーズは全5巻で、池田屋襲撃で終っているが、この続編として『PEACE MAKER鐵』が発刊されていたので、それらも併せて購入。最近、日本史の幕末から明治初期のごくごく短い期間だけ、それも京都中心、いや新撰組中心の歴史力だけが、確実に上がってきているかも?(笑)
話しはポーンと飛ぶが、書店で昔懐かしい装丁の、ポプラ文庫が並んでいるのを見つけました。装丁を見た瞬間に、小学校の図書室で借りて、読みふけっていた時代を思い出しました。
放課後の図書室って人が居なくてシーンとしていて、それでも遠くのグランドから、小さくボールの音や誰かの声が聞こえるのだけど、なんとなく別の世界の音のような気がして、何処と無く暗く寂しい雰囲気が漂っていた。その中で一人、少年探偵団シリーズの並ぶ書棚の前に立ち、今日はどの本を借りようかと、ワクワクしながらも少し怖かった時の気持ちが懐かしい。たぶん今読んでも感じられないと思うが、あの時の、あの場所の、あの感性の頃の自分には、それはそれは宝箱の前に立っているような時間だったことを。今の子供達にも少年探偵団の面白さが、伝わると良いのですが・・・。