『バッタに抱かれて』 読了-48

バッタに抱かれて
バッタに抱かれて
日本図書館協会選定図書に選ばれた、笑いながら泣ける短編集―
と言う誘い文句に釣られて、衝動的に購入した一冊。
でも人には向き不向きと言う物があるし、好き嫌いだってある。食べた事が無い物は、好きなのか嫌いなのかさえも分からないから、一度は食べてみるべきだと思う。
で、食べてみた。いや読んでみた。
・・・・・・・ちょっと合わなかったです、はい。
序文と題した、それはそれは長くて高尚な前書きから、一体本文はどんな内容かとある種の期待をしたのだが、本文の短編集は、ダジャレ・下ネタ・ドタバタ劇と、なんでもありの奇想天外ぶり。
読んでいて、「これは何かの比喩なのか?あるいは最後に予想外の正体が明かされるのか?」と期待するも、そんなオチは何処にも無く、何食わぬ顔してフェードアウト。
街をさまよう白熊の話や、体長2mもあるバッタと同棲する女性の話、擬人化した山の話や人を食う熊とウサギと人の話などなど。本文の後に、これまた長い解説が付くが(全172頁中の50頁あまり、そして前書きが10頁)、ここの解釈もこれまた私には難解な補足事項。
笑いながら泣けるとあったが、笑いもしなかったし、泣けもしない。よく言えば”星新一”的なペーソスと、ゲバゲバ90分(例えが古くてゴメンなさい)的なドタバタ劇を足し、モンティ・パイソン的な分かりづらい高尚性を付け加えて、9で割ったような感じ。つまり、まるっきり意味が分からなかったと言う事。簡単に言えば、ツボが違ったと言う事で残念でした、はい。