『江戸川乱歩の推理教室』 読了-4

江戸川乱歩の推理教室 (光文社文庫)
江戸川乱歩の推理教室 (光文社文庫)
乱歩が製作に携わった犯人当て小説から選び出して、二冊の本にまとめ上げたその一冊目。
19人の作家が描く「犯人当て」、あるいは「トリック当て」の問題は、たんにクイズの出題編と言うレベルではなく、それぞれが立派な短編小説としての完成度を持っている。その上、これだけのトリックを集めていると言う点から言えば、資料としての価値も高い。乱歩直々の挑戦には、子供時分に戻ったような期待感も生まれ、楽しい一冊でした。
これですよ、これ!私が子供時分に読み耽っていたクイズ本は!
だから最初に、楠田匡介さんの『影なき射手』と言う作品が出題されているのを読み進めるうちに「これだ、これこれ!」と、一人興奮してしまいました。
他にも飛鳥高さんのお名前に感涙。この方、天下の清水建設の常務さんまで、お勤めになられた方で、バリバリの建築屋さんでした。読み易いけど、奥の深い一冊で、たいへん楽しゅうございました。