『向日葵の咲かない夏』 読了-42


小学3年生のミチオは、1学期の終業式の日に学校を休んだS君の家に、宿題とプリントを届けるように先生に頼まれる。クラスでいじめられていたS君の家に行くのは気が進まなかったが、仕方なく訪れたS君の家でミチオが見たのは、首を吊って死んでいるS君の死体だった。慌てて学校に戻り、先生に報告したミチオだったが、先生が警察と一緒に駆け付けると、そこに死体は無かった。ミチオの見たS君の死体も、荒れた室内の痕跡も跡形も無く消えていたのだった。
本屋さんで「今売れている本格ミステリー!」みたいなポップが付いていたので買った一冊。
でもこれ、本格じゃないですよね?
いえ、「本格とは何ぞや?」という本格の定義を彼是言うつもりは無いのですが、これを「本格バリバリでっせー」と言われると、「そうかなぁ・・・?」と思ってしまう。
また、謎やトリックの解明や説明には目をつぶっても、9歳の男の子と3歳の妹ミカの話し方には違和感があり、その違和感が気になって、気持ちよく読ませることをしなかった。
それら全てを含めて、この作品の狙いだったのかもしれないが、だとしたら「本格バリバリ」と書かないで欲しかった。とまぁ、そこを責めても仕方ない。だってポップを書いたのは書店の人だし、道尾さんに罪は無い。書評サイトやミステリ作家さん方にも評価の高い作品なので、ひょっとすると私のセンスが無いのかもしれませんが・・・・・。

コメント

  1. 田中 より:

    こんばんは。はじめまして。最近、拝見させて頂くようになりました。
    私は、横溝正史の金田一耕助シリーズが大好きで、全てを揃えました(笑)
    ミステリーとかが映画化されますが、私は本を読む時は頭の中で映像化して読んでるので、読んだ本を映画で観たら、自分の想像と若干のズレが生じてしまうのでがっかりしてしまいます。でも、脚本家にはなれません(笑)
    これからは、ちょくちょく覗かせて頂きます。

  2. 探偵長 より:

    はじめまして。
    コメントいただき、ありがとうございます。
    横溝作品は私も好きです。
    あの独特の暗さと湿度の高さ、それにリズムのある文体は、ミステリの王道と言えると思います。
    田中さんのお眼鏡に適うようなミステリが、これからも出てくると良いですね。
    これからも宜しく、お願いいたします。