第61回全国植樹祭


この週末、第61回全国植樹祭に天皇皇后の両陛下が、ご臨席なさる為に神奈川県においでになるそうです。なんでも箱根に宿泊されるそうで、土曜の午後と日曜の午前中は、小田原市内を車列がお通りになるそうです。限られた場所では、沿道から両陛下を奉送迎することも出来るようです。
噂では小田原の隣、南足柄市の大雄山駅前では、パレードもあると言う話も聞いています。
もっとも天皇陛下の車列を、パレードとは言わないと思うのですが、もし本当ならチョッと行きたいと思っています。
昔、昭和天皇の御用列車を見たことがあるのです。
今から彼是30数年前、下田の御用邸に向かう昭和天皇を乗せた御用列車を、直ぐ目の前で見たのです。当時高校生だった私は、髪型をポマードやチックで固めた、身だしなみに拘ったご学友たちと一緒に、線路脇の草むらで、ニコチンとタールが人体にとってどの程度の有害性を持つのかを、身をもって実験をしていたのでございます。それはそれは、知識の向上を図りたい一心での行動でした。
すると遠くから、電車の近づく音が聞こえてきたのです。
いつもの伊東線だろうと気にも留めずに、科学的な実験に勤しんでいた私たちの目の前を、緑色に塗られた車体の中央に、金色の菊のご紋を描いた列車が、厳かに通過されて行ったのです。通過されたすぐ後に、線路脇の警備に当たられていた警官が、こちらに真っ直ぐにやってきました。そして右手に警棒を持ったその方は、こう言われたのです。
「君たち、こんな所で化学の実験をしてはいけないよ」と。
警棒をグルグルと振り回しながら、それはそれは優しく諭して下さいました。
一同、てっきり未成年であるのに向上心豊かであることを、咎められるのかと思っていたのですが、そこはスルーされてホッとしたり驚いたりしたことを、今でもはっきりと覚えております。
あれから月日が流れ、あれほどの近距離で御用列車を奉送迎する機会に出会ったにも拘らず、キチンと対応出来なかったことを少し後悔しておりました。できればこの機会にあらためて・・・、なんて思っているのでございます。