住まいは夏を旨とすべし
「住まいは夏を旨とすべし」と言ったのは、随想『徒然草』を書いた吉田兼好。
時は鎌倉時代の終わりごろ、吉田の兼ちゃんが文机に向かいながら、「あちぃね、どうも。やっぱり夏は冷えた麦茶と庭先での行水に限るね」とかナントカ言いながら、扇子をパタパタさせながら書いたというのが、この一文(嘘)。
地球温暖化の影響も、今よりはずっと少ない鎌倉時代でも、「家は夏、涼しいことを基本にして、冬の寒さには沢山着て耐えようね」と言っていたのだから、人の感覚は昔も今も変わらないということなのだろう。
でも残念ながら今の時代に、夏を基準にした家を考えることは、少し難しいかもしれません。なぜって、今の家は冬を基準にしているから。・・・・・・と、言いきると語弊があるか? でも少なくとも、夏の暑さは、家を閉じて凌ごうと考えて造られていることはホント。つまり高断熱化して外の熱を防ぎ、効率よくエアコンを利かそうとしていると言うこと。
勿論、風の通り抜けを考慮し、窓の位置や高さを考えて設置していることは確かだし、窓や壁の断熱性能を少しでも高くしようと考えていることも本当だが、それだけでは現代の住宅を、鎌倉時代の住宅と同じにすることなど不可能と言うもの。
人口密度、土地の面積、地表面温度をはじめとする地球環境の変化、自分の家だけが努力しても改善できない根本的な都市計画や家の造り方と、当時と今とでは違うことが多すぎて、全ての問題を包括したうえで対処するのは、ちと難しい。
でも出来ない理由を100個挙げるよりも、出来ることを1つでも実践するのがステキ。
深く低い軒を出した家で、手の届きそうな軒先から簾を吊り、縁側に腰掛けて、冷えた瓶ビールをコップに注ぐ。綺麗な緑色をした枝豆なぞがちょっとあり、団扇でパタパタやりながら、思わず言うのよ。
「あ~~~、旨い! やっぱり家が一番良いな~」ってね。
そう言う家を建てたい方、直ぐに連絡ください。
設計の御相談は、縁側でビール呑みながら、ゆっくりとお話したいと思いますので。
天工舎一級建築事務所
E-mail toshio0223@k-tantei.com
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