倉庫の新築計画のご相談を頂いた。
建てようとしている建物は、なんら難しくも無い、広さ30坪の平屋の倉庫。
だが問題は建物ではなく、建てようとしている計画地の方にあったのでした。
コンクリート舗装されている場所が計画地。写真で見ると、何の問題も無い土地のようにも見えますが、実はここ河川法という法律的には川の中にあたる場所なのでした。
土手に上がり、川の上流を眺めてみました。向かって右側が2級河川の酒匂川。向かって左側が計画地のある方。建物が普通に建っているので違和感を覚えませんが、実は河川法という法律で言えば、河川区域内にあたる場所なのです。平たく言えば、「川の中」という意味。
一般的には、一定の河川敷までを含めて官地になっているのが普通なのですが、この土地はなぜか民地なのです。
民地と言う事になれば、その土地に何をしようと、法律の範囲内の行為であれば許される筈。それが証拠にこの場所は、工業地域という用途地域まで指定されており、建蔽率・容積率をはじめとした制限に違法しなければ、何の問題も無く確認は下りるのです。
が、しかし! 先の震災でも大きな被害を出した津波の恐怖は、誰も忘れては居ない筈。ましてや許認可権を持つ行政庁は、この辺りの判断が悩ましい。深く書くのは野暮なので書きませんが、民地とはいえ川の中。さてどうする?――とまぁ、そんな感じの計画。
個人的には普通に建つと思うが、悩ましい土地というのは、意外と身近なところにあるのですね。
天工舎一級建築事務所
神奈川県小田原市荻窪314正和ビルみなみ302
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