まほろ駅前で便利屋を営む多田の元に、突然転がり込んできた居候の行天。
仕事の依頼は、庭掃除やら老人の見舞い、子守に遺品整理と何かと厄介なことが多い。
前作『まほろ駅前多田便利軒』に続く、シリーズ第二段。
前作に登場した脇役達が多く登場する、スピンオフ的な作品でした。前作を読んでいるからこそ、いっそう楽しめる作品となっていると思います。間違い無く前作を読んだ後で読みたい本。
呆けたおばあちゃんが、時々スイッチが繋がる時があり、その繋がった時に語った自分の若い頃の思い出話『思い出の銀幕』は、個人的にはツボ。たぶん戦後の時代背景や、適わない恋の定め、アウトローの哀しさが好きでした。そして、ばあちゃんが恋心について語った一言が秀逸。
のんびりとした雰囲気の中で、絶妙の笑いと哀しさを読める一冊です。
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