私の設計事務所は「天工舎」と言う名前です。たまに「クリーニング屋さんですか？」と聞かれることがあるが、それは「白洋舎」の間違いでしょう？
そもそも、事務所名を考えるときに「安井建築設計事務所」とか「安井建築設計室」と言うような名前を付けようとは思わなかった。理由は簡単！恥ずかしいからだ（笑）
もともと設計事務所名に、代表者のフルネームが入っている所は「大家」と呼ばれるような事務所が多い。例えば建築界のベンガルこと、黒川さんは「黒川紀章建築・都市設計事務所」だったり、私の尊敬する宮脇さんは「宮脇壇建築研究室」だったりするわけです。（例を挙げればきりが無いが、面倒なので割愛します） だから自分の名前を付けるのは嫌だったし、恥ずかしかった。
それで星野さんの「独楽蔵 こまぐら」（これでも設計事務所の名前ですよ）や難波さんの「界工作舎 かいこうさくしゃ」みたいなのが良いな～と憧れて、百科事典やら何やら引っ張り出して決めたのが「天工舎」。
こんなに悩んで決めた名前でも、始めてお会いする人で「どう言う意味ですか？」と興味を示してくれた方は、今までに数人程度しかいない。聞くことは失礼だと思われるのか、興味が無いのかはわからないが…もっとも、本当は聞かれると返事をするのが恥ずかしいような意味なのだ。
この「天工」と言うのは、辞書によると「天が地上に遣わした巧みな技を持つ天使」と言う意味なのです。どうだ！参ったか！（何が？）
しかも、名刺には「天工舎」の前に「空間デザイン室」と書いてある。これは言ってみれば「機動戦士ガンダム」の「機動戦士」の部分にあたるわけで、有ったほうがカッコイイ！！と、言った感じで付いている（笑）それに本当のことを言えば「空間デザイン室」が無いと、ますます「何屋さんですか？」と聞く人が、増えてしまうことになるでしょ～？
まったく設計事務所に限らず「屋号」と言うのは難しいが、それなりの想いは、きっと入っているに違いない。そんなことを気にしながら、タウンページで、設計事務所の欄を見てみると、意外と楽しめるかもしれません。フルネームが入っている事務所が、意外と多いのですよ～。
ところで、なぜこんなことを書いているかと言えば、昨日お会いした方に、事務所名の意味を聞かれて答えたところ「へぇ～、じゃあ貴方は天使なのですね アハハ」と笑われてしまったからなのです。恥ずかしかった…こんなことなら「安井建築設計室」でも良かったかなぁ？
設計事務所をお探しの方は、一つの目安になるかも・・・・・・ならないかも？