私は常々、家は買うものではなく、建てるものだと思っている。もちろん、この「建てる」と言うのは、大工さんや工務店に建てて貰うと言う意味なのだが、世の中には「つわもの」がいるもので、なんと!自分で家を建ててしまう人がいるのだ。私の友人のK氏も、その一人である。
有る日、K氏が「家を建てようと思うんだけど・・・自分で・・・」と、言い出したから驚いた! 小田原は田舎といっても、人口20万人以上はいる一応都市の端くれだ。「北の国からの」の五郎さんじゃ有るまいし「丸太小屋」で許されるはずもない。(むっ!無謀だ!)
ところがこのK氏、なんと3年半近くの時間をかけ、本当に自分で建ててしまったから凄い!これ、一言で言っているが素人が、家一軒自力で建てるのは想像を絶するパワーと根気、それに忍耐力が必要だ。勿論、向き不向きだって有るだろう。プラモデルを作るのとは訳が違う!
K氏は、コツコツと地味な作業を繰り返し、結局基礎の穴掘りから材木の墨付け、屋根や内装の殆どを自分でやってしまったのだ。彼の本職は設備の図面を書いている。だから、まるっきり建築と関係が無い訳では無いのだが、そうは言っても大工の経験など有る訳ではない・・・つまり我流。それでも、立派な住宅が出来あがったからビックリした。
材料の調達だって、なかなかのもの。骨組みの木材は、 解体された喫茶店の柱や梁を安く買い、足りない材木だけを新らしく購入した。これだって、どれが使えてどれが使えないかを判断するだけだって、至難の技。(きっと、大工で食っていけると思う)
その他の材料だって、 建設会社で半端物のバザ-が開かれれば、軽トラックで乗りつけて大量に材料を買い集めてきたから驚くばかり。また、その値段が凄い!フロ-リング12坪分で5000円、ドア1枚1000円 タイル1枚3円などと、驚くような値段!「これだけ買っても1万円しなかった!」と、叫んだとか叫ばないとか?
このK氏、実は確認申請も自分でやってしまった。図面や書類に関しては多少のお手伝いはしたが、役所に提出することなどは全部自分でやったのだ。(なんでもやれば出来ると言うことなのか。商売上がったりだな・・・)
引越しも無事に済み、生活を始めた現在でも工事は続いている。K氏にとって、本当の意味での「家がライフワーク」なんだろう。
昔は「結」と言って、家を建てる時には近所の人達が集まって、共同で建てるシステムもあった。一部分でも良いから自分の手で造ると、その愛着はひとしおなんだと思う。これから設計する「家」には、建築主が自分で施工する場所を、作っておこうかなぁ~?と思ったりもする。
余談だが、このK氏は最近「流木アート」にも、はまっている。それもかなりの腕前。
(そりゃあ~家一軒建てた腕前なんだから)
家の写真はプライバシーの問題があるから、お見せするわけにはいかないが、彼の作品を変わりにご覧に入れましょう。
2作ともテーブルなのですが、なかなか良いでしょう~。
こんなテーブルがあったら、ビールは(また酒の話だ・・・)さぞ上手く感じることでしょうねぇ~。
今では注文を受けて、造っているほどの腕前。私も現物を見ましたが、なかなか素敵ですねぇ~
今度、どこかの家の設計で何か作ってもらおうかなぁ?
値段は、上下とも4,5万ぐらいだって言ってたなぁ~交渉すれば、負けてもらえるかも?
どなたか、欲しいと言う方がいらっしゃれば、注文は受けるそうですよ。
もっとも、納期に関してはご相談したいと、言ってましたけどね。