Essay 122 横浜21世紀座について

最近、気になる話題の一つに「横浜21世紀座」をめぐる音の問題があります。これは神奈川県横浜市中区山下町に仮設のドームシアターを建設し、そこで伝統芸能等を公演しようと言う計画でした。


神奈川県の発表によれば、坂東玉三郎氏側からの申し出を受け、地元商店街などとも相談した結果、県所有地を貸し、この事業を応援する事になったのです。その規模は以下の通り。


〔予算額〕12億7,000万円〔場所〕横浜市中区山下町54
〔規模〕約3,700m2(テントドーム、関連施設)
〔席数〕1,200席程度


建物も無事完成し、坂東氏も公演に向けて舞台監督として始動し始めたまでは良かったのですが、このドーム、蓋を開けてビックリ!のトンデモナイ代物だったらしいから、さあ大変!何がトンデモナイって、外部からの騒音が以上に大きく聞こえ、とても演劇など出来る状況ではないらしいのです。


どれ位凄いかと言えば、客席で「地下鉄のホーム並みの騒音およそ85db」と言うから、とても話になりません。おまけにロビーの方が騒音値が低いと言う謎の状態。怒った坂東氏は芸術監督を降板。(株)横浜21世紀座が、引き続きドームシアターを運営していくことは困難な状況となり、仮設ドームの利用方法も完全に中に浮いてしまったのです。


神奈川県は仕方なく、県有地に完成した利用価値の高いドームシアターを有効に活用したいと考え、施設および設備を買い取ることにしました。めでたしめでたし、じゃなくて、これ一体どう言うことでしょう?


○問題1
なぜ騒音が聞こえる状況になってしまったかの原因追求がされていない
○問題2
遮音・防音に対する調査・改修方法はどうなったのか不明
○問題3
騒音に対する改善がされないような建物を税金で買い上げて、そのごどうする
つもりか謎?
○問題4
これって単純に・・・欠陥建物なの?


音の問題って目に見えないだけに厄介です。「主観の相違」で済まされてしまう事さえ有るかもしれません。テレビならリモコンでボリュームを調整できますが、建物の場合はそうはいきません。
見えない物への配慮と言う意味でも、この件の今後は注目したいところです。