Essay 140 本好きの家

先日、自分のホームページの中で「活字好きに100の質問」と言う物に答えてみました。ホントは「活字好き」と言うほど、本は読んでいないのでチョッと申し訳ないような気がしたんですけどね。


その質問に答えながら考えたのですが「自分は今までに一体何冊の本を所有したのだろうか?」ってね。少なめに考えても年間に50冊は買っていると考えて良いでしょう。少なめに勘定しているから単純に年齢と掛け算しても、生まれてから2000冊は所有した事になります。さらに子供時代には今ほど買っていなかった事を考慮しても半分の1000冊は所有した筈です。これに漫画や雑誌を含めると、とんでもない数になるんですねぇ。


勿論、今ではその大半を処分してしまいましたが、それでも数百冊は有ると思います。そんなに本を読まないと思っている自分がこの位ですから、本当に本好きの方、あるいは出版関係や作家の方に至っては想像を絶する数になるのでしょう。


そこで思い浮かべたのが「本好きの家って、どんなのだろうか?」ってこと。そんな内容の依頼があれば、その場で考えれば良い事なのでしょうが、少しだけ想像してみる事にします。


まず「本好きの家」の家ってことは当然本が沢山ある。それも半端じゃないほどある。そして出来れば、本がいつでも手の届く距離にあれば嬉しい。と言う事は市販の本棚を並べて置くよりも、チョッと工夫して、家を作る段階で考えた方が良いかもしれないですよね?でもワザワザ造り付けの本棚を部屋の中に設けるのは、意外と場所を取るので嫌だと考えませんか?じゃあどうするか?過去に見た例も含めて書き出してみると、意外とこんな方法もあるのですが・・・。


■階段を上手に利用して本棚にしている
階段の利用と言っても方法は様々で、蹴込み(踏んで歩く板じゃなくて、壁のように立ち上がっている部分)を本の収納場所にする方法があります。これ以外と用いられている方法で、特別な階高を用いられてない場合でも、ここだけで400冊近くの本が収納できる計算になります。


また、手摺に当たる部分の幅を少し広く取り本を収納する場所にする例もあります。その他にも階段下収納のように、下部を本棚にしてしまう方法もありますよね。


■壁の厚みを利用する方法
木造軸組み工法の場合、建物を構成する柱の太さは凡そ10cm程。この壁の厚みを上手に利用するだけで、文庫やノベルスなら収納できる事でしょう。文庫もノベルスも本の幅(奥行き)は11cm程度です。壁の断熱や外壁の仕上げ方法に、チョッとだけ工夫を凝らせば室内への出っ張りは5cm程度で済むと思います。壁全体に本棚を設けなくても窓下の一部だけとか、居間のソファーに近い場所に限って設けても良さそうですよね。


■上の例では壁の一部と書きましたが、沢山の蔵書を所有する方には、壁一面全て本棚と言う方法も考えられますよね。壁を構成する「柱」や「間柱」を本棚の立て板に見立ててしまい、壁全体に本を並べてしまうんです。柱や間柱には構造的な解釈を加え、考慮しなければならないのは当然ですが、まるで「図書館」のように沢山の本に囲まれる生活が送れることは間違いないでしょうね。


■こんな場所に本を置くスペースがあったら?
まずトイレでしょうねぇ~。私自身はトイレに本を持ち込む習慣は有りませんが、これ以外と多いらしいんです。だったら3~4冊で良いですから、綺麗に立て掛けて置けるスペースが有ると良いですよね?余談ですが置く本は、短編集かエッセイにしましょう。「やんごとなき姫君たちのトイレ事情」なんて良いかもしれませんね?


その次は脱衣所辺りはどうですか?洗面・脱衣所って、家の中で一番虐げられている場所のような気がするのですが(その話はまた次の機会にでも書きますが)浴室内で本を読む方は意外と多いようです。だったらお風呂専用本の置き場が有っても、良いような気がするんですが如何なものでしょう?


居間や寝室は当然考えられますが、思い切って玄関なんて場所に本を置くスペースがあっても、面白いかもしれませんね。のんびりとした休日の午後、庭の木陰でアップルティーでも飲みながら、静かに本でも読みたいもんです。


本の話を例に取りましたが、本当に書きたかったのは「考え方と発想」のこと。前回のスイッチやコンセントの話同様、何を大切だと考え、それをどう実現するかと言う発想の事。つまり柔軟な発想と思考力が大切だと言う事なのですが、少しは伝わったかなぁ?


全ては、そこから始まるのだ!ではまた。