マンションでも民泊がOKに!?

賃貸あるいは分譲マンションを購入する際の、大切なポイントの一つに「セキュリティの高さ」がある。例えばエントランス・ホールにオート・ロックは設置されているか? 玄関の鍵はICチップ入りのカード・キーか? 常駐の管理人が居るか、あるいはコンシェルジュが居てくれると、それだけで安心なのだがと言う具合に、防犯に対する配慮は、とても大切なポイントとなる。そしてそれらの安心を共有している同じマンションの住人にも、一定の信頼を持つことができる。だけどある日突然、隣の部屋に見慣れない人が、入れ代わり立ち代わり出入りすることに成ったらどうだろう? それも様々な国籍の人だったら、当然驚くに違いない。

現在でも大きな問題となっているマンションの民泊だが、現在は旅館業法などの許可が必要になっている。それでも無許可で民泊営業を行い、咎められると「この人は友達です」と、しらを切り、同じマンションに住む人たちに迷惑を掛け続ける不心得民泊オーナーも増えていると聞く。そんな法律で禁止されている問題のマンションの民泊を、国交省は平成30年の春から、届出さえすれば「基本OK」とする方針と発表した。

国土交通省HP  「マンション標準管理規約」の改正(案)に関するパブリックコメント(意見公募)を開始

たぶん、このまま決まるのだろう。そして2020年の東京五輪に向けて、マンションの民泊が推し進められていくことになる。外国人観光客を多く招き、その宿泊先としてのマンションの民泊を認める。構図とすれば、そんなところだろう。

でも本当に大丈夫だろうか? 一度マンションの民泊がOKとなると、オートロックの暗証番号は民泊する客に伝えられ、その客が滞在を終えると、次の民泊客にまた伝えられる。そして一度マンション内に入ってしまえば、目的の部屋以外のどの階へも自由に行く事が可能となる。結果、オートロックというセキュリティには、なんの意味も無くなる。

届出さえすればOKとなる、このマンションの民泊を規制する方法は一つしかない。それは「マンションの管理規約に民泊は禁止とする」と、明記することだ。マンションで民泊営業を営みたいと届出をする際には、マンションの管理規約の写しを一緒に提出する義務があり、この管理規約内に「民泊を許さず」と書かれていると、基本、届出は受理されないことになる。今現在、マンション暮らしをしている方は、手元のマンションの管理規約を、よく読んでみると良い。大部分のマンション管理規約は、国交省が交付している「マンションの標準管理規約」が雛型となっており、大部分のマンションは改変せずに、そのままの文言で使われているので、「マンションの民泊は」などと言う一文は、何処にも書かれていない筈だ。つまりその管理規約を来年以降も使い続けていると、近い将来にはお隣さんが民泊営業を営む可能性だってある。

それほど重要なマンションの管理規約なので、変更を行うにも一定の決まりがあ。それは区分所有者の総会の特別決議が必要となり、議決権者の3/4以上の同意が必要となる。そしてこれはこれはそんなに簡単な話ではない。さてマンション住まいの皆さんは、これから一体どう対応していくのでしょう? 

マンションの民泊問題は、これからが本番です。

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