『僕の殺人』太田忠司 著/読了

『僕の殺人』は、1990年に長辺作品とした書かれたデビュー作。その後、絶版となっていのですが、少し前に復刊されました。主人公は十五歳の僕、ですから青春ミステリのジャンルに入るのかもしれませんが、ジャンルに捉われることの無い本格的なミステリ作品です。

あの頃、ボーっと読んでいた私が、今になって「あっ! そこから!」と気付き、思わず苦笑したのですから、如何にして読み手がヘッボコで、太田さんが上手に仕掛けているのが分かります。

十年前に起きたあの事件から、僕は記憶を失ったまま。そんな僕の前に、あの事件の真相を一緒に探そうという一人の男が現れる。「あの事件には何か秘密がある。それを二人で、いや君自信が思い出すんだ」と、詰め寄る男。そして僕は動き出す―的な感じの話です。

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