16歳のレベッカ・ウィンターが、ある日姿を消した。11年後、行方不明になっていたレベッカは私だと名乗る女性が現れる。両親も双子の弟たち、友人らもレベッカの無事を喜び、迎え入れた。メディアは奇跡の生還を喜ぶのだが、家族は誰もレベッカが本物なのか? あるいはこの11年間何処に居たのかを訊ねなかった。「なぜだ?」レベッカを名乗る「私」が、不安になっていくのだった― オーストラリア推理作家協会賞最優秀デビュー長編賞にノミネートされた作品。
レベッカと名乗り出た女性が、本物か否かは直ぐに分かります。だから読者の興味はそこではない。謎は家族の誰もがレベッカの失踪していた間の事を、何も聞かないことにあります。それは友人たちにも同じことが言えるので、単純な推理では謎を解き明かせない。最後の最後まで真実は分かりません。あとがきには、近日、映画化されるとも書いてあります。ミステリいうよりもサイコホラーと言った方が正しい作品。レビューの評価は高いようですが、私はまぁまぁと言った感じの読後でした。