あれから9年が経ちました。いろいろな事が変わりましたが、あの日から時が止まったままの方も居るかもしれません。あの日、感じたことの無い大きな揺れに驚き、仕事を止め慌てて家に帰りました。当時、家にはセキセイインコの蒼がいて、その籠をTV台の下に置いていました。万一、TVが転倒すれば、潰される位置だと気付いたのは、地震を感じてからでした。幸いにもTVは転倒することも無く、インコも無事でした。そしてTVを点けると、そこに映されていたのは、仙台空港を押し流す津波の映像でした。
9年の月日が経った今、今度は新型コロナ・ウィルスが蔓延し、多くの方が感染し、不幸にも亡くなられた方もいらっしゃいます。そして感染を恐れて店先からはマスクが無くなり、デマ情報からトイレットペーパーやティッシュペーパーが買い占められる状態にまでなっています。
あの時、大勢の人が東北を、日本を助けたいと思い、あるいは願って行動した人たちが、今は我先にと物資を買占めに走っているとは思いたくありませんし、きっと違うと思います。震災を含めた災害から学ぶことは、人それぞれ違うと思いますが、少なくても痛みを感じている人や困っている人に対して、さらに追い打ちをかけるようなデマ情報を拡散したり、ニセ情報や意図的に歪曲した情報を流布し、無駄に不安ばかりを煽るような真似だけはしてはならないと学んだ筈です。
過去の痛みから学ぶことは数多くありますが、実際に出来ることと言ったら、そう多くは無いのかもしれません。痛みに共感することも出来ませんし、同じ痛みを感じることも出来ません。ただ寄り添う程度のことしか出来ないと思っています。
合掌