家の24時間換気システムを考える時に、イニシャルコストを安く抑えたいのなら、選択肢は間違いなく第三種換気だと思います。新鮮空気は室内各所に設置したガラリから取り入れ、トイレや洗面所に設置した換気扇から排気する。使用機器の価格も安く済むので、建設コストを抑えたい時にはこの方式が一番です。ただしマイナスポイントもあります。それは断熱に関しての話です。
第三種換気と呼ばれる換気方法は、あくまでも外気をそのままの温度で室内に取り込み、室内の温度をそのまま外部に放出することが前提です。例えば夏、外の温度の高い空気を室内に取り込み、室内のエアコンで冷やした空気を外に排出することになります。これって暖房効率が悪いと思いませんか? 稀に「吹き抜けを設けると開放感があって素敵だけど、冬の暖房の利きが悪くなるから嫌だわ」と仰る方がいますが、それでいて第三種換気方式を選択されるのは矛盾していませんか? と思うことが良くあります。
今回、計画してすでに着工している住宅は、第一種換気システムを採用しています。値段は第三種換気に比べれば少しお高いですが、熱交換率が高いので、冷暖房効果は格段に違ってきます。つまり電気代が節約できるという事。もちろん陽気の良い季節には窓を開け、外気を存分に取り込むことが大切ですが、その辺りを理解されている方にはお薦めかと思います。家の造り方も、そのニーズも時代と共に変わるのかもしれませんね。